『50回目のファースト・キス(日本版)』レビュー|奇跡のような愛に涙するラブストーリー

邦画

一度観たら忘れられない、愛のかたち。
たとえ明日、すべてを忘れてしまっても、今日の「好き」は消えない。
そんな奇跡のような純愛を描いた映画『50回目のファースト・キス(日本版)』は、笑って泣いて、そして心がじんわり温かくなるラブストーリーです。

ハワイを舞台にしたこの物語は、普通の恋とはちょっと違う。
“毎日が初対面”の彼女と、それでも「今日も君に恋をする」彼。
この映画は、どんな困難も笑いと優しさで乗り越えていく、人間の強さと愛の尊さを教えてくれます。

この記事では、そんな『50回目のファースト・キス』の魅力を、映画と向き合い続けた13年の視点で、じっくりと解説します。


作品情報

  • 原題:50回目のファーストキス
  • 監督:福田雄一
  • 脚本:福田雄一
  • 主演:山田孝之、長澤まさみ
  • 公開年:2018年
  • ジャンル:ラブストーリー、コメディ、ヒューマンドラマ

あらすじ

舞台は美しいハワイ・オアフ島。ツアーガイドとして働く大輔(山田孝之)は、ある日カフェで見かけた藤島瑠衣(長澤まさみ)に一目惚れします。話してみると意気投合し、恋の予感が広がるものの、翌日再会すると彼女は彼のことをすっかり忘れていました。

実は瑠衣は、1年前の事故が原因で“前日の記憶までしか保てない”短期記憶障害を抱えていたのです。

毎日が「初めまして」な彼女に、毎日「恋をする」大輔。
彼は彼女を笑顔にしたい一心で、さまざまな工夫を凝らしながら、50回、100回と「はじめまして」と「好きです」を繰り返します。

瑠衣の家族や友人も巻き込んだその日々は、いつしか大きな奇跡へとつながっていくのです――。


人生観が変わるポイント

愛とは「今日」を重ねること

「明日を覚えていない」人に恋をすることは、想像を超える困難です。
けれど大輔は、彼女が覚えていなくても「今日の愛」を真剣に伝え続けます。
“記憶”ではなく“心”で繋がる愛の形は、「未来が見えなくても今を大切にする」ことの尊さを教えてくれます。

私たちも日常の中で、つい「結果」や「先のこと」にとらわれてしまいがちですが、この映画は「今ここで、どれだけ相手を想えるか」がいかに大切かを静かに語りかけてきます。

笑って乗り越える強さ

悲劇的な設定でありながら、全体を通して漂うのは“笑い”と“明るさ”。
これは福田雄一監督らしい演出でもあり、彼の真骨頂です。

登場人物たちがどんな困難もユーモアで乗り越えようとする姿勢は、視聴者にも希望を与えてくれます。
「泣いてばかりじゃ何も変わらない」というメッセージが、笑いの裏側に込められているのです。

“完璧でない日々”こそが、かけがえのない日々

瑠衣は毎日記憶を失い、大輔は毎日自己紹介から始めます。
普通なら「やり直しの日々」は苦痛かもしれません。
でもこの映画は、そんな不完全な日常にこそ美しさがあると伝えてくれます。

完璧じゃなくても、繰り返しても、たとえ記憶になくても――
“毎日、誰かのために愛を届ける”ことが、どれほど素晴らしいことかを、何度も何度も実感させてくれるのです。


印象に残るセリフとその意味

「今日、また君に恋をしました。」

この一言に、この映画のすべてが詰まっています。
過去がどうであれ、未来が不確かであれ、「今日」という一日を大切にしようとする覚悟と優しさ。

毎日初めての恋を繰り返すという、一見切ない関係を、こんなにも温かく、前向きに描けるのは、このセリフの力があるからこそです。

私たちも日々の中で、当たり前になってしまった存在や気持ちを、もう一度「新鮮な目で見つめる」ことの大切さを思い出させてくれます。


まとめ

『50回目のファースト・キス(日本版)』は、ただのラブコメではありません。
記憶というテーマを通じて、「愛とは何か」「人を想うとはどういうことか」を深く問いかけてきます。

山田孝之と長澤まさみの演技が自然体で、物語のリアリティをより高めており、福田監督ならではのコメディ要素も絶妙なバランスです。

“明日を忘れてしまっても、今日を全力で愛する”。
そんな生き方に、心を打たれずにはいられません。

まだ観ていない方には、ぜひおすすめしたい1本です。
きっと、あなたの「日常の大切さ」に気づかせてくれるはずです。

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