勉強一筋で高校生活を駆け抜けた優等生ふたりが、卒業前夜に人生初の「パーティーデビュー」を決意。
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は、ただのコメディにとどまらず、10代の葛藤と友情、そして「自分らしく生きるとは何か?」を問う一作です。
「真面目に頑張ることは、本当に正解だったのか?」
そんな疑問を胸に抱いたまま大人になる前に、あなたはこの映画と出会うべきかもしれません。
作品情報
- 原題:Booksmart
- 監督:オリヴィア・ワイルド
- 脚本:エミリー・ハルパーン、サラ・ハスキンズ、スザンナ・フォーゲル、ケイティ・シルバーマン
- 主演:ビーニー・フェルドスタイン、ケイトリン・デヴァー
- 公開年:2019年
- ジャンル:青春コメディ、ドラマ
あらすじ
成績優秀で生真面目なモリーとエイミーは、幼い頃から「いい大学に入ること」を最優先にして生きてきた。遊びも恋も二の次。
しかし卒業式を翌日に控えたある日、彼女たちは衝撃の事実を知る。自分たちよりも遊びまくっていたクラスメイトたちも、難関大学に進学するというのだ。
「努力してきた意味って、何だったの…?」
そうしてふたりは決意する。
「今日だけは、全力で遊ぶ!私たちも最高の卒業前夜を過ごすんだ!」と。
羽目を外して街をさまようモリーとエイミー。
しかし一晩で“パーティーに行くだけ”がこんなにも大変だとは、誰が思っただろうか…。
人生観が変わるポイント
「正しさ」と「楽しさ」は両立できる
モリーとエイミーはずっと「いい子」であることに全力を注いできました。
けれどこの映画は、そんな彼女たちの思い込みを優しく、でも確実に崩していきます。
努力は素晴らしい。でも、「正しさ」にこだわりすぎて、自分を縛っていないか?
この作品は、「真面目でいること」と「人生を楽しむこと」は決して対立するものではない、と教えてくれます。
笑いの中にあるこのメッセージが、多くの視聴者の心を軽くしてくれるはずです。
親友との関係にも「変化」は訪れる
本作で描かれる友情は、理想的な“ずっと一緒”だけではありません。
価値観のズレ、進学先の違い、将来への不安。そうした些細な“すれ違い”が、確実にふたりの関係に影を落とします。
けれどその過程を経て、彼女たちは互いをより深く理解し、真の意味で「親友」になります。
人間関係もまた、挑戦と成長があってこそ深まるもの。そんな普遍的なテーマが、観る者の胸に沁みてきます。
「レッテル」を手放す勇気
学校内のヒエラルキー、オタク、ヤンキー、チャラ男、優等生――
そうした“レッテル”に縛られていたのは、モリーとエイミー自身でもありました。
映画の中で、クラスメイトとのふれあいを通じてふたりは気づきます。
「人は見かけによらない」「相手を知ろうとしなければ、真実にはたどり着けない」と。
自分自身に対しても、他人に対しても、決めつけないこと。
それは、10代だけでなく大人にも必要な“勇気”かもしれません。
印象に残るセリフとその意味
「私たちは頑張った。でも、それだけじゃ足りなかったんだ。」
モリーが思わずこぼすこのひと言は、すべての努力家に響く名セリフです。
一生懸命頑張っても、思うように報われなかったり、結果が伴わなかったり。
それでも“それだけじゃ足りない”と気づくことで、人生はまた違う景色を見せてくれます。
このセリフには、過去を否定するのではなく、前を向く強さが込められています。
青春の痛みと希望を象徴するような一行です。
まとめ
映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』は、笑って泣ける青春コメディでありながら、人生に必要な「バランス」や「視野の広げ方」を教えてくれる作品です。
ただのおふざけパーティームービーじゃない。
むしろ「真面目すぎる」人ほど観てほしい、そんな映画です。
「これまでの自分」を見つめ直し、「これからの自分」に優しくなれるような、心に残る一夜。
ぜひあなたも、ふたりと一緒に最高の卒業前夜を体験してみてください。
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