「記憶にございません!」は、2019年に公開された三谷幸喜監督のコメディ映画です。政治を題材にしながらも、難しい話ではなく、誰もが楽しめるエンターテインメント作品 に仕上がっています。
「政治をテーマにした映画って難しそう」「三谷幸喜作品って会話劇が多いけど楽しめる?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、本作は三谷作品らしいテンポの良い会話劇とシニカルなユーモアが見事に融合 しており、笑いながらも現代社会の風刺としても楽しめる映画です。
映画と向き合い続けた13年の視点で、魅力を徹底解説!
本記事では、ストーリーの面白さ、キャストの魅力、そして三谷幸喜監督ならではの演出ポイントを詳しく解説します。ぜひ最後までお読みください。

ストーリー:記憶を失った総理大臣が巻き起こす大騒動
物語の主人公は、日本の総理大臣・黒田啓介(中井貴一)。彼はある日、演説中に投げつけられた石が頭に当たり、記憶喪失になってしまう。
もともと国民からの支持率は低く、独裁的な政策を進めていた黒田だったが、記憶を失ったことで性格が一変。本来の自分とは正反対の「良識的で庶民感覚のある総理大臣」 になってしまう。
記憶を失ったまま国政を運営しようとする黒田だったが、周囲の秘書や官僚たちは大混乱。さらには、総理の座を狙う者やスキャンダルを狙う記者、家族問題などが絡み合い、物語は予想外の展開を迎えていく。
三谷幸喜らしいテンポの良い会話劇とユーモア
三谷幸喜監督の作品といえば、緻密な会話劇とコミカルなやり取り が特徴。本作でもその持ち味が存分に発揮されています。
- 記憶を失った総理が秘書たちと繰り広げるドタバタ劇
- 一見シリアスな政治の世界を、軽妙なテンポで笑いに昇華
- 登場人物同士の駆け引きが面白く、予測不能な展開が続く
特に、中井貴一のコミカルな演技 は本作の最大の見どころ。普段はシリアスな役柄が多い中井貴一が、記憶をなくして困惑する総理を絶妙なバランスで演じ、笑いを誘います。
豪華キャストが織りなす掛け合い
本作のもう一つの魅力は、豪華キャストの掛け合い です。
- 中井貴一(黒田啓介・総理大臣役):コメディとシリアスを行き来する見事な演技
- ディーン・フジオカ(井坂役):クールな秘書として総理をサポート
- 石田ゆり子(黒田の妻・聡子役):夫婦関係の複雑さを絶妙に表現
- 佐藤浩市(野党党首・鶴丸役):存在感抜群のライバル政治家
- 草刈正雄、小池栄子、田中圭など、脇を固める実力派俳優陣
個性豊かなキャラクターたちが繰り広げる会話の応酬が、本作の楽しさをさらに引き立てています。
現代社会への風刺も光る
単なるコメディ映画にとどまらず、本作には現代政治や社会問題への風刺が随所に散りばめられている のもポイントです。
- 記憶を失ったことで「まともな総理」になってしまう皮肉
- メディアやスキャンダルに踊らされる政治のリアル
- 国民の期待と政治家の本音のズレ
笑いながらも「もしこんな総理が実際にいたら…」と考えさせられるシーンも多く、単なる娯楽映画を超えたメッセージ性 も感じられます。
まとめ
「記憶にございません!」は、笑いと風刺が絶妙に絡み合った痛快コメディ です。
- 三谷幸喜らしいテンポの良い会話劇
- 中井貴一をはじめとした豪華キャストの好演
- 政治をテーマにしながらも誰でも楽しめるストーリー
コメディ映画が好きな方はもちろん、普段政治に興味がない方でも楽しめる作品です。気軽に笑えて、見終わった後に少し考えさせられる、そんな一本をぜひご覧ください。
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